施術後の注意点

①適度に水分摂取して下さい。

鍼灸施術は新陳代謝を高め、滞った血流を改善し、免疫機能を向上させます。施術後に十分な水分摂取を行うことで、血中や組織間に鬱滞していた老廃物や疲労物質などの有害物質(毒素)が腎臓へ流れ、尿として体外へ排出されやすくなります(デトックス効果)。季節に関わらず、水は体温に近い温度のものを飲用するのが理想です。冬場は、お湯や温めたお茶などを飲むと良いでしょう。

②激しい運動などは控えて下さい。

筋肉を弛めて血流を改善し、自律神経を安定させ症状の緩和を図るのが鍼灸施術ですから、施術直後の激しい運動や筋力トレーニングは施術効果を薄めてしまいます。鍼灸施術後、最低数時間は安静にするのが理想です(施術の効果が高まります)。

③イライラしないで下さい。

施術後に怒ったり、イライラするのは駄目です。イライラ(交感神経優位)は呼吸を浅くし、血流の悪化や血液の酸性化を促し、筋肉の硬化を招きます。

④好転反応(瞑眩(めいげん)作用)を恐れないで下さい。

鍼灸を施術すると筋肉が弛むので、急激に筋肉が弛んだ場合、筋肉の間を走行している神経が刺激されることがあります。筋肉が弛むことで自律神経の働きに変動が起こり、自律神経症状が出ることがあります。例えば、痛みがひどくなったり、下痢がひどくなったり、アトピーがひどくなったり、湿疹が出たり、眠れなくなったりすることがあります。これらの症状が短時間でおさまれば、必ず前より良い状態になります。
もし、症状がおさまらない場合は3~7日おきくらいに施術し、反応が出なくなるまで施術を続けます。そうすると、次第に症状が軽くなり、それまであった不快症状が軽減されます。

⑤大食(食べ過ぎ)しないで下さい。

大食は激しい運動と同様に、身体に多大な負担をかけます。また、腹八分目、減塩・減糖・減肉食を心がけると、症状改善が断然に早くなります。

⑥体をよく温めて下さい(特に寒い季節、夏場は温め過ぎないように心がけてください)。

施術後は滞っていた血流が改善し、自然治癒能力が活発化するので、施術後に冷たい物を飲食することや、身体を冷やすようなことは厳禁です。お風呂も入って頂いて大丈夫ですが、施術後当日の入浴は自律神経の安定のためには良くないことだと考えております。ですので、入浴されない方が施術効果が高くなると考えています(シャワーのみをオススメします)。また、「施術後に入浴すると鍼孔(しんこう)から細菌が入る」などと言われる鍼灸師もおりますが、現在の細い鍼では抜いた瞬間に周辺組織の圧力で鍼孔が塞がれますから、細菌感染する心配はありません。施術後に感染がみられるケースは、ほぼ刺鍼前の消毒不備か鍼滅菌不備のどちらか、または両方です。ちなみに、筋肉が凝りすぎていた場合、患部に毛細血管が多く存在することが多いので施術によって内出血した部位が青くなったり、腫れたりすることがありますが特に問題はありません。1~2週間ほどでキレイになります。施術後は、筋肉痛のような「深鍼独特のダルさ」が出る場合がありますが、水分補給をしっかりと行い、温めて血流を良くするようにしておくと、「深鍼独特のダルさ」は早く抜けます。

⑦お酒を飲まないで下さい。

日常的な飲酒は肝臓や腎臓に大きな負担をかけるという事実はよく知られていますが、飲酒が筋組織そのものを硬化させ、破壊するという事実はあまり知られていません。飲酒は、主にミオグロビンの溶出、速筋繊維の部分的壊死を促し、筋委縮による筋肉痛や、筋繊維壊死による筋力低下などを誘発します。これらはアルコール筋症(ミオパチー)と呼ばれ、飲酒量が増加するほどに症状が悪化する事が知られています。例えば、飲酒の翌日に感じる筋肉痛などが分かりやすい例です。よって、施術後の飲酒は筋肉の再生を阻害し、施術効果を無効にしてしまいます。ちなみに、アルコールは食道や鼻の穴の粘膜を強く刺激するため、炎症や潰瘍、蓄膿症、花粉症などを悪化させます。さらに骨粗鬆症学会は骨密度が同じであっても飲酒習慣、喫煙習慣がある人は骨折のリスクが高くなるという調査結果も発表しています。当然ながら、筋肉が慢性的に強く収縮していれば、骨折の他、筋肉の断裂(≒肉離れ)や腱・靭帯の断裂、関節部の異常(≒関節炎、水がたまる、半月板損傷、腱鞘炎など)も起こり易くなります。

⑧十分な休息を取って下さい。 

鍼灸施術後は、心身が休息を求め、鍼灸施術独特の「ダルさ」が出現する事があります。それは脳と体が回復しようとする自然な反応ですから、為すがままに横になって休むのがベストです。施術後1~2時間寝るのも良いでしょう。鍼灸施術は必ず身体に好影響を与えます。眼先の症状に囚われず、「必ず良くなる」と信じて施術を継続する事が大切になります。

施術回数の目安
※当院は週一回の来院を目処に治療計画を立てております。
症状の改善をお考えなら最低でも週一回での来院をおすすめします。